ドイツのデュッセルドルフで妊娠期を過ごし、エバンゲリッシュクランケンハウスで出産した記録です。
妊娠中
妊婦検診
日本人の女医さんが診てくださる、産婦人科中川に通いました。
プライベート保険のみ対応なので、ご近所でも公的保険の方は電車に乗って中央駅方面の病院へ通われているようでした。
私が受診した日本のクリニックとの違い
- 診察時間が長く、丁寧に診てくださった
- 内診は妊娠後期になっても毎回ある
- 待ち時間が短い
妊婦教室
産婦人科中川にて、受講しました。1回90分、平日計4回のコースです。
待合室でテーブルを囲んでお話を聞きます。
日曜日に1回のみのコースもありましたが、平日4回コースにして良かったです。
- 初回は、出産時から産後までの全体のざっくりとしたながれ
- 2回目は、お産の流れを詳しく
- 3回目は、お産後の母親の体について
- 最終4回目は、帰宅後の赤ちゃんとの生活について
毎週お話を聞くことで頭に定着しましたし、皆さんから出た質問・回答も参考になりました。
皆さん出産予定日が近い方々なので、連絡先を交換して仲良くなれました。
夫婦出産準備教室
妊婦教室の約2週間後、日曜日に90分開催で、夫とともに参加しました。
夫には私から説明するより、専門家から聞いた話のほうが頭に入るのではと思いました。
中川先生からのお話で、産後1か月、母親は赤ちゃんのお世話で精いっぱいなので家事は期待しないでください!という言葉があり、そうそう!と心強かったです。
分娩する病院の予約
日本と異なり、妊婦検診を受けたクリニックでは分娩しません。自分で病院を決めて予約する必要があります。
決定する
インターネットとご近所の先輩ママからの情報をもとに、エバンゲリッシュクランケンハウスに決めました。
コロナ禍でなければ、病院主催で分娩室なども見られる見学会があるようです。
2024年現在、見学会の開催が予定されています。
実際に見て産院を決められるのがうらやましいです。
候補
- エバンゲリッシュクランケンハウス(Evangelisches Krankenhaus Düsseldor)
- マリエンホスピタル(Marien Hospital Düsseldorf)
- 大学病院
参考になったサイト
- りんごの木 http://apfelbaum.jp/kosodate/byoin-erabi
決め手
- 交通の便が良い(私は事前検診を受ける必要があったので産前に2回訪れました)
- 小児科併設なのでもしもの時に安心
- 先輩ママの利用率がかなり高い(食事はさみしいが、きれいなところとの意見が多かった)
予約する
通訳さんを紹介していただき、メールで連絡、その後お電話をいただきました。
通訳さんは申込書類をみながら電話で読み上げてくれて、質問(基本情報、現状の症状、既往症など)に次々と答えます。通訳さんが病院に提出してくれて、申し込みは完了です。
私はハイリスク出産のため事前検診があり、その際に病院で待ち合わせしてお会いしました。病院の入り方、使うエレベーターまで細かく教えていただけました。通訳さんのおかげで、診察時のやり取りもスムーズでした。
事前検診
ハイリスク出産であったため、予約後に事前検診を受けました。通常であれば、陣痛が来てから初めて分娩する病院へいくようです。
受付まで
エバンゲリッシュクランケンハウスへは電車で向かいました。駅から歩いて5分ほど。
入り口は建物の南側1か所です。
受付でムッターパスをみせ、検診予約している旨を伝えると、「クライスザール(分娩室)〇階よ」と通されます。
警備の方の横を通り、柱の矢印に従って右へ進み、来院者用のエレベーターに乗ります。入り口すぐのエレベーターはスタッフ用のものだそうです。
クライスザールについたら、待合室で待ちます。お手洗いもあります。
少しするとヘバメさんが来て、ムッターパス、保険証、通訳さんに記入していただいた病院予約書類を提出しました。
なかなか来ない場合、待合室は奥まっているので、通路に出て声をかけないとそのまま放っておかれる雰囲気です。
検診を受ける
ヘバメさんの案内で診察室に入ります。
見学会がなかった分、病院の中の様子が見られたのはラッキーでした。
うわさに聞いていた、分娩時につかまる用の紐が天井から垂れ下がっていました。
診察はエコーで妊婦検診同様におこなわれ、特に変わったことはありませんでした。
ムッターパスと保険証を返してもらったらそのまま帰ります。
破水?!
2週間後、家でいつも通り過ごしていると、なにか液体が… 破水?尿漏れ?
心配になり、病院に行くことにしました。夫の運転で再びエバンゲリッシュクランケンハウス向かいました。
通訳さんなしでしたが、2度目の来院だったので勝手は分かり、その点は安心でした。
エコー、内診、NSTを受け、待ち時間含め2時間強かかりました。結果、破水ではなくひと安心でした。
入院バッグ
病院についてすぐに出産し、回復が早かった私の場合です。
必要だったもの
- 前開きワンピース型の部屋着3着。(真冬の出産でしたが室温は快適。羽織物は持っていきましたが使いませんでした。退院時もそのまま上からコートを着てしまいました。)
- ゆったりして脱ぎ履きしやすい靴下
- 授乳しやすい下着
- スリッパ(ベランダ用のサンダルが大正解でした。血液等で汚れるので水洗いできるものが良いです)
- リップクリーム
- 洗面用具
- 赤ちゃん退院時の服
- スマートフォン
- 充電器
- ボールペン(出産に関する書類や、食事のリクエストカードなど記入します)
- ムッターパス
- 保険証
- 夫と私のIDカード両面のコピー
- 夫と私のパスポートコピー
- 婚姻証明書
不要なもの
- 産褥パッド・産褥ショーツ(病院のものを使えます。給水パッドをネット型のショーツでおさえます)
- タオル(病室ものを使えました)
- 水分・おやつ(必要だよ!と聞いていましたが、私は病院のもので十分でした)
エバンゲリッシュクランケンハウスにて出産
出産時
深夜1時過ぎ、夫の運転する車で病院に到着。
病院入り口すぐの出産専用駐車場を利用。(コウノトリの看板があります)
陣痛も強く、破水していて、もう痛くて痛くて夫につかまりながら病院に入る。
警備員さんが近づいてくれたので、私は「ベイビーカム!」と妊婦教室で教えてもらった言葉をふりしぼる…
受付の女性が「車いすを使う?」と聞いてくれ、大きくうなずく。
患者は奥のエレベーターを使うようにと言われていたので、そちらに進もうとするも、警備員さんが正面すぐの大きなエレベーターを使って!と教えてくれる。
クライスザールについてからの記憶は曖昧ですが、多分また「ベイビーカム」と伝えて夫とともに診察室へ通される。ムッターパス(妊婦検診の記録が書かれた手帳)を渡す。
ベッドに横になり、内診を受けると、「プッシュプッシュ」と言われる。
これはもう息んで良いということねと理解し、2,3回息むと産声が聞こえました。
あっという間の出産でした。
はさみを渡されて、自分でへその緒を切りました。通常は夫が切るようですが、このとき不在だったので。
胎脂をざっと拭われた赤ちゃんを胸に寝かせてもらいました。とても小さくてふにゃふにゃで軽かったです。
入院生活
ドイツの女性との二人部屋でした。
夜中に赤ちゃんが泣いて、相手も目を覚ましてしまったときは心苦しかったです。
先輩ママからは、ドイツの病院は食事がひどい、自分から主張しないと放っておかれる聞いていて身構えていましたが、おおむね快適な入院生活でした。
食事
以下、入院中の食事の一部です。
リクエストカードの選択肢は、公的保険だと少なく、プライベート保険だと多いです。
メニューが文字で羅列してあり、食べたいものの□にチェックを記入します。
通訳さんがひとつひとつどんな食べ物が説明してくださりました。
入院後すぐの食事は基本的な内容のみでした。
産後の昼食と夕食はリクエストカードを提出したものの、残念ながら内容には反映されていませんでした。間に合わなかったのか、ミスか分かりませんが。
リクエストカードが通ってからは品数も多く、食事には満足でした。
会陰のケア
ちなみに、ドイツでは会陰切開は基本的にせず、裂けるときは自然に任せるそうです。そのほうが治りが早いという考え方。
初めての会陰裂傷で、Quarkläppchen を看護師さんからいただきました。
これは、クワルクという、ヨーグルトのようなものをペーパーにつけて巻いて凍らせてあるようなものです。直接傷口に当てて30分くらいおいて温かくなってしまったらナプキンごと捨てるというもの。
どの程度傷に効いていたのかはわかりませんが、気持ちが良かったです。
会陰については、事前に受けていたホメオパシーセミナーでおすすめされたケアも実施しました。
退院後のヘバメさんの訪問時にも「傷の直りが早いね」と驚かれたので効果があったのだと思います。
ケアの内容はこちらの記事で紹介しています。
退院
出産の翌々日、赤ちゃんの検査と私の検査をパスすれば退院です。お迎えの都合がつかなければ退院を遅らせることもできるそうです。
最後にナースステーションに挨拶に伺うと、日本人看護師さんがいらっしゃいました。
日本との違い
- 沐浴指導はありません。そもそも、ドイツではお風呂に入れるのは1週間に1~2回でよいとのこと。
- 授乳指導は、日本より簡単なものでした。私の授乳姿を見ながら「赤ちゃんの手足をママにくっつけて」「口をこのくらい開けさせて」と教えてくださいました。
- 授乳のたびに赤ちゃんの体重を測りません。ミルクは使いませんでした。(希望すればミルクももらえるそうです)
- 病院に常備されているおしりふきがとても使いにくい。ウェットティッシュ状ではなく、袋状の乾いた不織布?です。(ドラッグストアには日本と同じようなおしりふきが並んでいます)
入院中は毎日違う看護師さんが見えて、英語があまり通じない方や、大きなジェスチャーで伝えてくれる方などいろいろでしたが、ナースコールをすれば皆さんすぐに応じてくださいました。
初めてのドイツでの出産、コロナ禍の規制は無くなってほしかったですが、その他は満足できるものでした。